ファイル転送の設定
本ガイドは、2024年5月2日に公開された Setup PA on Cloud file transfer記事をもとにしています。
ただし、Planning Analytics on Cloud 環境では随時更新が行われているため、ファイアウォール設定、FTPeS の構成手順、FTP クライアントの設定画面などが、本資料の記載と一致しない可能性があります。
操作対象の UI や手順に違いが見られる場合は、IBM の最新ガイドラインや公式ドキュメントを必ず参照し、最新の情報に基づいてご対応ください。
ファイル転送について
ファイアウォール設定
以下の環境に対して、ポート 21 および 4460〜4500 の送信通信を許可してください(環境は Welcome Kit に記載されています)。例:
<non-prod>.planning-analytics.ibmcloud.com詳細はこちらをご覧ください:
IBM Docs: Port numbers for Planning Analytics on Cloud
Planning Analytics on Cloud とオンプレミス環境(またはその他の自社環境)間でファイルを安全に転送するには、FTPeS(FTP over explicit TLS/SSL) を使用します。
転送されるファイルの種類には以下のようなものがあります:
- ディメンションやキューブ用のデータファイル
- 環境間で移動する Planning Analytics データベースファイル(例:PA Local からクラウドへの移行時)
注記: エンドユーザーが定期的にファイル転送を行う場合は、Planning Analytics Workspace(PAW) から直接操作することも可能です。
使用する FTP クライアントについて
FTPeS をサポートする FTP クライアントが必要です。
定期的な転送やスケジューリングが必要な場合は コマンドラインツール が使われますが、開発者向けには GUI ベースのクライアントが推奨されます。
一般的に企業で利用可能な GUI クライアントには以下があります:
- WinSCP
- FileZilla
設定に必要な情報
ホスト名や認証情報は、Welcome Kit に記載されています。
FileZilla を使った設定例
以下は FileZilla での設定例です。

注意:
- ホスト名には、地域ごとの FTPS/SFTP の URL を指定します(例:ヨーロッパの場合は
ft-EU.planning-analytics.cloud.ibm.com)。 - 暗号化タイプは FTP explicit over TLS(FileZilla では「明示的な FTP over TLS が必要」)を指定してください。
フォルダ構成
接続に成功すると、以下のようなフォルダ構成が表示されます:
install:任意クライアント用のインストールファイルprod:各データベースごとのフォルダがあり、以下を含みますlogs:ログファイルdata:データベースファイル
FileZilla のフォルダビュー例:

追加のアクセス設定
必要に応じて:
- 追加の FTP ログインのリクエスト
- アクセス制御リスト(ACL)の作成
を行うことができます。
詳細は以下のリンクを参照してください:
Controlling access to shared folders(共有フォルダへのアクセス制御)
これにより、ユーザーグループごとのアクセス制限が可能になります。
例:
- 人事部門には人事用のデータベースフォルダへのアクセスのみ許可
- 財務部門には財務用フォルダのみ許可
また、データベースファイルと分離された「Upload」フォルダの作成など、柔軟な構成が可能です。