Astra DB Serverless の初期設定
ここでは、データベースの作成から本番利用に向けた初期設定までを紹介します。
Step1. データベースの作成
データベースは Astra Portal、DevOps API、Data API クライアント、Astra CLI のいずれからも作成できます。ここでは Astra Portal での手順を紹介します。作成には Create DB 権限を持つロール(Organization Administrator または Database Administrator など)が必要です。
Astra Portal で Create database をクリックします。
Serverless (vector) または Serverless (non-vector) を選択します。vector は non-vector の全機能に加えてベクトル・データ、ベクトル検索、リランキングをサポートするため、多くのユースケースでは vector が推奨されます。(2026 年 7 月のリリースにより、Data API は non-vector データベースでも一般的に利用可能になりました)
データベース名を入力します。
・データベース名は作成後に変更できません(使用可能文字:英数字と & + - _ ( ) < > . , @)
・non-vector の場合は最初のキースペース名を入力します(48 文字以内)
・vector の場合、最初のキースペースは default_keyspace に自動命名されます
Step2. クラウドとリージョンの選択
クラウド・プロバイダーとリージョンを選択します。本番用途ではアプリケーションに地理的に近いリージョンを選択してください。
日本国内のリージョン(2026年7月時点の公式リージョン一覧より):
| クラウド | リージョン | 場所 | レート区分 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| AWS | ap-northeast-1 | 東京 | Premium | 承認制の注記なし |
| Google Cloud | asia-northeast1 | 東京 | Standard | non-vector 側に承認制(*)の注記あり |
| Azure | — | — | — | 日本リージョンの掲載なし |
・「*」印のリージョンは「クレジット消費量に基づく承認制(restricted)」であり、利用にはアカウント担当または IBM Support への申請が必要です
・Free プランでは利用できるリージョンが限定されます(ロックされたリージョンの利用にはプランのアップグレードが必要)
・DB タイプ(vector / non-vector)別の対応可否は、リージョン一覧の原典ページでご確認ください
作成が完了すると、データベースのステータスが Active になります。
Step3. メンテナンス時間帯の確認と通知の購読
リージョンごとに定期メンテナンスの時間帯が定められています。東京リージョンの場合は以下のとおりです(いずれも JST では深夜〜早朝帯です)。
| リージョン | メンテナンス時間帯(UTC) | JST 換算 |
|---|---|---|
AWS ap-northeast-1 | 水曜 14:00–22:00 | 水曜 23:00 – 木曜 7:00 |
GCP asia-northeast1 | 火曜 14:00–22:00 | 火曜 23:00 – 水曜 7:00 |
・リージョン別メンテナンスの監視・通知購読:https://regionalmaintenance.astra.datastax.com/
・システム全体のステータス:https://status.astra.datastax.com/
・通知メールが届かない場合は、General FAQs の「I'm not receiving status or maintenance notification emails」をご参照ください
Step4. セキュリティの初期設定
本番運用に向けて、以下の設定をご検討ください。
・IP アクセスリスト:データベース単位および DevOps API 単位で接続元を制限できます
・SSO / SCIM:組織のセキュリティ設定から構成します(「組織」章の参考も参照)
・プライベート・エンドポイント
・顧客管理暗号鍵(CMEK)
・監査ログ:組織のセキュリティ設定から参照できます
・メトリクス
【注意】watsonx.data の Infrastructure Manager 経由で Astra DB を利用する場合 プライベート・エンドポイント、カスタム・ドメイン、マルチリージョン DB、メトリクスのエクスポート/スクレイプ、PCU 構成は現時点で非対応です。詳細は「利用方法」章の Case3 を参照してください。
参考:Security(docs の Security セクション各ページ)
Step5. バックアップ/リストアの理解
Astra DB Serverless のバックアップは自動で行われます。運用設計の前提として以下を把握しておいてください。
・アクティブな DB は毎時自動バックアップを作成し、各 UTC 日の最後に成功した毎時バックアップが日次バックアップになります
・保持期間:毎時バックアップは直近 24 時間、日次バックアップは直近 19 日(ローリング)
・バックアップは SSTable のみの point-in-time スナップショットで、コミットログやプライベート・エンドポイント等の DB 設定は含みません
・復元は IBM Support とともに実施します(フルマネージド・リストア)
・保持期間をより細かく制御したい場合は、IBM Support にセルフマネージド・バックアップ・ストレージを申請できます
【重要】バックアップが失われるケース 休止(hibernated)中の DB は新規バックアップを記録しません。19 日を超えて休止するとバックアップが失われます。また、DB を削除(terminate)するとバックアップを含む全データが破棄され、復旧できません。マルチリージョン DB でセカンダリー・リージョンを削除すると、そのリージョンのバックアップは即時削除されます。