クラスタータイプを選択する
IBM Confluent Cloud には5種類の Kafka クラスタータイプがあります。タイプの変更は原則としてできないため、この選択は初期設定の中で最も重要な判断のひとつです。
Step 1: タイプの特徴を比較する
| タイプ | 用途 | 容量単位 |
|---|---|---|
| Basic | 検証、初期開発、小規模用途 | eCKU(エラスティック) |
| Standard | パブリックネットワークを使う本番ワークロード | eCKU |
| Enterprise | プライベートネットワークが必要な本番ワークロード | eCKU |
| Freight | 高スループットかつレイテンシー要件が緩いコスト最適化ワークロード | eCKU |
| Dedicated | 高トラフィックまたは専有容量・手動スケーリングが必要なミッションクリティカル用途 | CKU(専有) |
Basic / Standard / Enterprise / Freight は負荷に応じて自動的に伸縮します(エラスティック)。使用量が最小値を下回る場合は課金されません。Dedicated は CKU 単位で容量を確保し、Single-Zone は最小 1 CKU、Multi-Zone は最小 2 CKU です。

作成画面では5種類のタイプが横並びで表示され、Standard に「Recommended」ラベルが付きます。各タイプの時間単価もこの画面で確認できます(単価はリージョンにより異なります)。また、画面下部で Uptime SLA を 99.9%(開発・ステージング向け)と 99.99%(本番向け)から選択でき、99.99% を選択すると最小 eCKU が 2 に設定されます。右側のコストパネルには、想定される月額の目安と、未使用時には eCKU がゼロまでスケールして課金されない旨が表示されます。
Step 2: 制約を確認する
【重要】タイプの変更は Basic から Standard へのアップグレードのみです
Basic から Standard へのアップグレード以外のタイプ変更はサポートされていません。 Standard から Basic へのダウングレードもできません。タイプを変更したい場合は、新しいクラスターを作成してデータを移行する必要があります。
そのほかの主な制約は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ブローカー設定の変更 | Dedicated のみ可能です。他のタイプは Topic レベルの設定で対応します |
| RBAC | Basic は Kafka クラスター内リソースの RBAC に対応していません |
| パーティション上限 | Enterprise は 96,000(うち compacted は 32,000 まで)。eCKU あたりの compacted 上限は 1,000 で、これを超えると総パーティション数が範囲内でも追加の eCKU が必要になります |
| 課金 | Dedicated の拡張・縮小時は、容量変更の翌時間から新しい CKU 数で課金されます |
【参考】そのほか作成画面で確認できること
- Enterprise は AWS / Microsoft Azure / Google Cloud の3クラウドで選択でき、選択したクラウドに応じてプライベートネットワーク方式(PrivateLink / Private Link / Private Service Connect)が Summary に表示されます。
- Advanced settings に削除保護(Enable deletion protection)のトグルがあり、有効にすると誤操作によるクラスター削除を防げます。削除は復元できないため、本番クラスターでは有効化を推奨します。
Step 3: スケーリング特性を確認する
Enterprise クラスター
Enterprise は主要クラウドで最大 32 eCKU まで自動的にスケールし、合計 7.5 GB/s を超えるスループットに対応します。
ただしスケールの速度には段階があります。10 eCKU までは数秒で拡張しますが、それを超える範囲はオンデマンドモデルとなり、1 eCKU あたり最大20分かかる場合があります。急激なトラフィック増加が見込まれるワークロードでは、事前に Confluent の担当チームへご相談ください。
Freight クラスター
Freight はコスト最適化を目的としたタイプで、次の制約があります。
- 提供クラウドは AWS のみで、リージョンも一部に限られます(実機確認では Azure / Google Cloud は選択できず、東京・大阪リージョンも選択肢にありません。2026年8月時点)。未提供のリージョンはリクエストが可能です
- クライアント側の最適化が必須です
- スケールは10分あたり 4 eCKU(ingress 240 MBps / egress 720 MBps 相当)程度が目安です
【重要】Freight はトランザクションに対応していないため、Freight クラスターへの書き込みでは Exactly-Once Semantics(EOS)を利用できません。 Apache Flink から Freight の Topic に書き込むジョブは、障害シナリオによっては重複レコードを生成する可能性があります。なお、Freight からの読み取りはこの影響を受けません。
【参考】キューイング用途を想定する場合
Queues for Kafka(メッセージキュー相当の機能)は Enterprise および Dedicated クラスターで利用可能です。Standard クラスターへの対応は 2026年下半期の予定とされています。キューイング用途を前提とする場合は、クラスタータイプの選定に影響します。詳細は キューイング用途で利用する をご確認ください。